非常時に備える教育

こんにちは、ミュウです。

さて、ここ数回このブログでは災害について取り上げてきましたが、今日8/15は終戦記念日で、9/1は防災の日。
防災の日は1923年9月1日に関東大震災が発生したことに由来があるため、災害を考え直す日にもなっています。
終戦記念日は災害ではありませんが、非常時であり避難が必要になることもあります。
そこで、非常時の備えについてもう少し考えてほしいことがあるのですが、今回は非常食について書きたいと思います。

現代では非常食も種類が豊富になっていて、パンやご飯の主食の他にも、おでん、焼き鳥、牛丼の具などのおかずになるものや、羊羹やゼリー、ケーキなどのスイーツまであります。
しかも日常の食事として食べてもあまり違和感がないくらい美味しい。
また、缶詰だけでなくレトルトやフリーズドライなど、保存方法も進化していて、保存期間も長くなっています。
「非常食と言えば缶詰!」
「ぼそぼそとした食感であまり美味しくない乾パンだけど、非常時だから仕方ない……」
というのは過去の話になっていますね。
近年では、非常食を常備しておき、消費期限が近付いたら新しい非常食を買い足して古いものを食べる「ローリングストック」というものも推奨され、非常食は身近なものになっています。

ただ、ここに怖さがあることに皆さんが気付いていないのではないかと心配なのです。
というのも、非常時は贅沢なんて言っていられません。
生きていくために、食べるものを選んでいられるような贅沢はできないのが非常時なのですから。
それならば、多少味が落ちても食べなければならない場面も想定していなければなりません。
しかし現代では、それができない子どもたちが想像以上に多いのです。
普段から美味しいものを食べているのでしょうが、いつもより美味しくないという理由だけで食べるのを拒否する子どももいるくらいです。

普段から子どもたちの様子を見ていると、私にはそのような問題が起きる理由が大きく2つあると思っています。

1つ目の理由は、味の許容範囲が狭いこと。

極端な例ですが、1品数千円もするような高級店の料理ばかり食べていた人が、ある日突然ワンコインで食べられるような庶民的な飲食店で食事をするようなものです。
そのときに、その人の中での味の許容範囲にその庶民的な飲食店の料理が入っているかどうかが問題になります。
もし許容範囲に入っていれば、「普段より味は落ちるけど問題なく食べられる」として普通に食事をするでしょう。
しかし、許容範囲を下回って外れていれば、「こんな料理食べられない!」と食事を拒否することになったり、我慢して食べた後に「こんな店二度と行かない」と酷評をしたりすることになります。
例え他のお客さんが普通に食事をしていて、その味に満足していたとしても、高級店の味に慣れ、許容範囲が高く、狭く設定されてしまった人にとっては、その料理は食べるに価しない物になってしまうのです。

実はこの現象、現代の子どもによく見られるものです。
子どもたちの会話を聞いていると、運動会や合唱祭などの学校行事が終わるごとに打ち上げをするなど、昔では考えられない頻度で出費を伴う交流をしているような話が飛び交っていることもあるのですが、そのときに利用する店が、そこらの1人1,000円ちょっとで収まりそうなファミレスではなく、1人3,000円や4,000円はするようなバイキング形式の飲食店で、私からすればそんな気軽に利用する店ではないのでは?と衝撃を受けることもあります。
「打ち上げでそんな高い店行くの?」「ファミレスとかでいいんじゃないの?」
などと生徒に聞いたことがあるのですが、
「これくらい普通」「ファミレスは料理が美味しくない」
などと言われました。
このような感覚の子どもばかりだと言うつもりはありませんが、帰省時に祖父母に「何食べたい?」と聞かれてかなり高額な店や料理を挙げるというのも似たようなものでしょう。

そして2つ目の理由ですが、このような味の許容範囲を広くする躾がなされていないことにあると思います。

美味しい食べ物で味を覚えたら、それを食べたいと思うのは当然のことでしょう。
問題は、「食べたいと思う」ことではなく、「それが当然のように食べられてしまう」ことにあると思うのです。

昔は本当においしいものは「ご馳走」という認識を持ち、特別な日にしか食べられないという感覚がありました。
しかし現代の子どもたちは、その「ご馳走」が当たり前に食べられる環境に置かれてしまっています。
お正月、進学・進級祝い、GWなどの行事で食べることもあれば、テストで頑張ったから、部活で頑張ったからなどというご褒美、更には、上に挙げたような学校行事の打ち上げや友達との交流で外食をするときにも、大人と同じような金銭感覚で店を選んで食事をするようになっているのです。

では、話を戻しましょう。
もし非常時に十分な食事が確保できなかったら。
支援物資に美味しい非常食がなく、昔の乾パンのようなあまり美味しいと思えないようなものしかなかったら。
子どもたちはその非常食を我慢して食べられるでしょうか?

実はこの問題、かなり前にネットの記事で、非常時に我が子が乾パンを食べなかったという保護者の方の経験談が取り上げられていたのを見たことがあります。
これから起こると考えられることではなく、既に起こっていることなのです。

もし皆さんのお子さんが非常時に
「こんなの食べたくない!美味しくないから食べない!」
などとわがままを言ったら、皆さんはどうするでしょうか?
「そんなわがまま言うんじゃありません!」
と怒ったり、
「みんなだって美味しいものを食べたいんだよ」
「今は我慢して食べなきゃいけないんだよ」
などと説得したりするかもしれませんが、子どもはそう簡単に受け入れてくれません。
それに、普段から美味しいものを食べさせてそのような感覚を身に付けさせてしまったのは保護者にも大きな原因があるのです。
その原因を作った人が怒るのは理不尽だと思いませんか?

前回の記事でも、道具の準備だけでなく、過酷な環境への耐性を付けることでも災害への備えになると書きましたが、これも同じです。
普段から子どもたちに高級なものばかり食べさせていると、どんどん過酷な環境への耐性は失われていきます。
ぜひ子どもたちには、いろいろなものを食べさせる経験をしてほしいと思いますし、それが将来、非常時に身を守るかもしれないという意識を持ってほしいと思います。
そのために、
・外食は色々な価格帯の店を利用するようにする
・高級店ばかりに行きたいという我が子の要求を我慢させる機会を作る
・ローリングストックしておく食品の中に、あまり美味しいと思わないものも入れておき(その分価格は安いことが多い)、そのような非常食を食べる機会を作って慣らしておく
など、保護者だからこそできることも沢山あります。
ぜひこの機会に、躾としてできることは何かも考えてみてください。



それでは今回はこれで失礼します。

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